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その1本が歯の寿命を縮める!?喫煙と歯周病の関係

こんにちは。院長の春日井です。
11月17日は肺がんへの理解と予防意識を高めるために定められた「肺がん撲滅デー」です。

肺がんの主な原因とされるタバコは、全身のさまざまな病気のリスクを高めることが知られています。

その影響は、お口の中の病気も例外ではありません。

 

◆ヤニ汚れより怖い!タバコが奪う”歯の寿命”

タバコによるお口トラブルといえば、「ヤニ汚れ」「口臭」をイメージされる方も多いでしょう。

しかし、タバコの害で本当に怖いのは、歯の寿命そのものを縮めてしまうことです。

ある調査では、70代の喫煙者は非喫煙者よりも平均で約8.5本も歯が少ないという結果が報告されています。

その背景にあるのが、歯を失う原因で最も多くの割合を占める「歯周病」の存在です。

喫煙はこの歯周病の進行を早めるだけでなく、歯周病治療の効果まで下げてしまいます。

この二重の悪影響によって、タバコを吸う人ほど歯を失うリスクが高まってしまうのです。

 

◆知らないうちに進む喫煙の”二重ダメージ”

タバコが歯周病の進行を早める主な原因は、煙に含まれる3つの有害物質(ニコチン・一酸化炭素・タール)です。

・ニコチン:血流を悪化させ、歯ぐきを栄養不足にする
・一酸化炭素:体を酸素不足にして、歯ぐきの抵抗力を奪う
・タール(ヤニ):歯の表面にこびりつき、歯周病菌がつきやすい環境をつくる

こうした影響が重なることで、歯ぐきが本来持つ「細菌と戦う力」「傷を治す力」が徐々に奪われていきます。

その結果、タバコを吸う人は吸わない人に比べて、歯周病のリスクが約5.4倍に上昇するほか、治療の効果も半分程度まで落ちることがわかっています。

さらに問題なのは、血流の悪化によって、歯ぐきの腫れや出血といった歯周病特有のサインが出にくくなる点です。

そのため、喫煙者は自覚がないまま歯周病が重症化してしまい、やがて歯がぐらついたり、抜けてしまったりするおそれがあります。

 

◆”禁煙”が無理でも諦めない! 今からはじめる歯周病ケア

歯周病だけでなく、全身の健康のためにも「禁煙」がベストの選択です。

とはいえ、「わかっているけど、今すぐの禁煙は難しい」という方も多いでしょう。

大切なのは、すぐに禁煙ができなくとも、タバコのリスクを理解したうえで今できる歯周病ケアを欠かさないことです。

ご家庭での丁寧なセルフケアと、歯科医院での定期的なケアを継続しながら、タバコの影響を少しずつ減らしていきましょう。

 

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