ハル歯科医院blog
歯並びや呼吸にも影響する!?舌の正しいポジションとは
こんにちは。院長の春日井です。
6月5日は環境問題への取り組みを広げる日、世界環境デーです。
日本では「環境の日」として定められており、私たちもまずは身近な環境問題から少しずつでも意識的な取り組みを心がけたいですね。
身の回りの環境と同じく、お口の環境においても意識を向けてみてほしいことがあります。
それが、舌の位置です。
◆舌の正しい位置はどこ?
普段、私たちは自分の舌がどこにあるのかをほとんど意識していません。
しかし、舌には ”本来あるべき位置”が存在します。
その位置とは上の前歯の裏側のやや上、「スポット」と呼ばれるポイントです。
舌は何もしていないときに、先端がこの位置にあるのが自然な状態とされています。
ところが近年は、舌の先端がこのスポットより低い位置にある「低位舌(ていいぜつ)」の方が増えています。
低位舌は放置すると、さまざまな不調やトラブルの原因になることが知られています。
◆舌の位置が呼吸に与える影響
低位舌による不調のひとつに挙げられるのが、呼吸への影響です。
人間の呼吸は「鼻呼吸」が正常ですが、舌が下がっていると口が開きやすくなるため「口呼吸」になりがちです。
「息をするなら鼻でも口でもどちらでもいいのでは?」と思われるかもしれませんが、実は口呼吸にはさまざまな問題があります。
口呼吸によって口が乾くと、だ液の自浄作用が弱まり、むし歯や歯周病、口臭のリスクが高まります。
さらに、鼻には細菌やウイルス、アレルゲンなどをブロックする「フィルター機能」が備わっていますが、口呼吸ではこの役割が十分に機能しなくなります。
そのため、風邪やインフルエンザなどの感染症や、アレルギー症状のリスクが高まる可能性があります。
◆まだまだある!低位舌のリスク
低位舌は呼吸のほかにも、次のようなリスクが指摘されています。
(1)歯並び・かみ合わせの乱れ
低位舌になると、舌が上あごを押し広げる力がうまく働きません。
そのため、上あごが狭いまま成長してしまい、歯が並ぶスペースが足りなくなったり、「受け口」になったりすることがあります。
(2)姿勢や全身のバランスの影響
低位舌が原因で口呼吸になると、空気が通る「気道」も狭くなってしまいます。
そのため、十分な呼吸を確保しようと無意識に頭を前に傾けたり、上向きにしたりする姿勢になりやすく、これが猫背や肩こり、腰痛などの一因になることがあります。
(3)睡眠の質の低下
低位舌の人は舌の筋力がもともと弱いため、眠っている間に舌がのどの奥のほうへ下がりやすくなります。
その結果、舌が気道をふさいでしまい、「いびき」や「睡眠時無呼吸症候群」を引き起こすことがあります。
◆あなたは大丈夫?舌の位置のセルフチェック
次のような場面で舌の先端が下の前歯に当たっていたり、上下の前歯の間に挟まっていたりする場合は、低位舌の可能性があります。
・何かに夢中になっているとき
・普通に口を閉じているとき
・「タ行」の言葉を発音するとき
・食べ物や飲み物を飲み込むとき
低位舌は放置すると、さまざまな不調の原因になるため、早めの改善が大切です。
お心当たりがある場合は、早めの受診を心がけましょう。
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