ハル歯科医院blog

子どもに多い!唇の裏の水ぶくれ、放置しても大丈夫?

こんにちは。院長の春日井です。
9月頃からは新米が多く出回り始めます。

お米をよく噛むとだ液の分泌が促され、消化・吸収がスムーズになるほか、自然な甘みを感じることができます。

お米をよりおいしく味わうためにも、日ごろからしっかり噛んで食べることを意識したいですね。

ところで、この「だ液」ですが、時折、お口の中や唇に水ぶくれのような症状を引き起こすことがあります。

 

◆唇や舌にできる水ぶくれ、その正体は?

お子さんのお口の中に小さな水ぶくれのような膨らみが見つかると、心配になり、慌てて受診をされるケースが少なくありません。

このような唇や舌にできる半透明の膨らみは「粘液嚢胞(ねんえきのうほう)」の可能性があります。

粘液嚢胞とは、お口を噛んだり傷つけたりすることで、だ液を運ぶ細い管が詰まってしまい、だ液の行き場がなくなって水ぶくれのようになってしまうものです。

見た目ほど心配なものではありませんが、自然に消えることは少なく、繰り返しやすいのが特徴です。

 

◆痛みはなくても油断は禁物

粘液嚢胞は子どもに多くみられるお口トラブルのひとつで、舌の先や裏側、下唇にできやすく、直径5~15mmと大きさもさまざまです。

ただし、中に溜まっているのはだ液なので、基本的に痛みを伴うことはありません。

つぶれると中のだ液が出て小さくなりますが、しばらくするとまた溜まって膨らんでくる…というのを繰り返すのが、この病気の厄介なところです。

つい自分でつぶしてしまいたくなりますが、傷口に細菌が入り炎症を引き起こすおそれもあるため、気になっても無理に触らず安静を保ちましょう。

 

◆治療法と注意したいポイント

粘液嚢胞の多くは自然に治ることはなく、効き目のある塗り薬や飲み薬もありません。

膨らみが小さいものであれば経過を見守ることもありますが、根本的に治すには、原因となっている小さなだ液腺ごと嚢胞をとり除く外科処置などが必要になります。

特に、舌の裏側のやわらかい部分に大きく膨らんだ「ガマ腫」と呼ばれるタイプのものは、放っておくと食事や発音に支障が出ることもあるため、早めの受診が安心です。

 

◆気になる症状は早めの相談を

粘液嚢胞のほとんどは良性ですが、再発を繰り返したり大きくなったりする場合は治療を検討する必要があります。

また、まれにですが別の病気が隠れていることもあるため、自己判断で放置するのは禁物です。

お口の中に気になる膨らみ・できものを見つけたら、早めに歯科医院を受診しましょう。

ハル歯科医院

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